三島由紀夫が東京・市ケ谷の自衛隊駐屯地で割腹自決する4カ月前のことである。
そのときに三島が産経新聞に寄稿した一文がある。
その一文が、自分の人生の中で頭をよぎることが多々ある。
それは、このような一文である。
このまま行ったら日本はなくなって、その代わりに、無機的な、からっぽな
ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない
或る経済大国が極東の一角に残るのであろう。
というもの。
わが社がMR1人体制を打ち出したとき、社のMRの行く末を案じたとき。
数ばかりを追い求め、プロセスを見ることなく評価もしない本社の姿勢を垣間見たとき。
言われたことは淡々と粛々にこなすが、言われない限りは何もしない部下を知ったとき。
この一文が頭をよぎると同時に
なんとも言えない心のもやもや感が濃くなるのです。